日記集 水筒 / 蟹の親子
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つい先日『脳のお休み』で商業出版デビューも果たした蟹の親子さんの私家版日記集の最新作『水筒』が入荷しました。『脳のお休み』執筆の日々が丸々収録されているので、直接言及されていなくとも『脳おや』の裏面としても読むことができると思います。僕はいま日記文学からは距離を置いているけれど、彼女の日記は当然読む、ぐいぐい読む。いや、脳がお休みする暇もないくらい読まされる。やっぱり面白い。風呂に本を落とす描写なんて読んだことないでしょう?「つるっと手から離れ、泡を吐きながら沈む」って蟹やんか(笑)。或いは新幹線の窓に貼りついた雨粒を見て精子が泳いでいる映像を想起させるあたりが、僕が彼女を武田百合子の正統的後継者(※①)だと断言する所以ですね。そして蟹の親子さんが日記を書くたびにこちらの妄想を刺激する伴侶Tさんの存在。匂いや癖のようなものまで詳細に記されているのに一向に像を結ばないところがマジで凄い、これはもう直接すんすんするしかない(笑)。ほんで光栄なことにタラウマラが度々登場するんですけど、拙書『PATSATの日記』を除いて、他者が読むことを前提に書かれた日記でここまで東淀川区淡路が登場する作品は本書か豊田道倫『キッチンにて』くらいのもんですよ。東淀川区民のみんなは絶対読んでください。こうして読むと、僕と蟹の親子さん、ほんまによう喋ってるな。それと某編集長が格言めいた助言をする箇所は正直イラっとしました(笑)。まだまだ書きたいことは山ほどあるんですが、あとは各自で楽しんで頂くことにして、最後にひとつだけ、「風呂で保坂和志」というパワーワードに思わず吹き出しました。
(※①)武田百合子の後継者というのは言葉足らずで、これは蟹の親子さんが武田百合子のフォロワーだとか追従者という意味ではなく、両作家ともに日記という誰もが書ける文学表現で決して誰にも書けないことを成しているという意味で用いております。
[収録内容]
2023年1月1日〜12月31日までの日記
サイズ:A6
本文:512ページ
スピン付き
本体価格1450円+税
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