團康晃 / 休み時間の過ごし方
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青木淳悟の『私のいない高校』という奇妙な小説は、実在する高校教師の手記『アンネの日記 海外留学生受け入れ日誌』をサンプリングして書かれているのは有名な話ですが、團康晃さんの『休み時間の過ごし方』にも青木淳悟を彷彿させる瞬間が沢山ある、というか、青木淳悟自身がこの本を好きやろうなぁ、と思う内容で、本書自体がエンタメとエスノグラフィーの結節点のようなこれまた不思議な作品。團さんが調査者として実際に中学校に通い、学生たちとともに過ごした時間が克明かつ膨大なエビデンスとともに記されている。男子たちが集まって下ネタを言い合っている内容をフィールドノートに書き留める團さん、それに気がついたひとりの男子生徒が「書かれるぞ!」と声をあげた瞬間は、読者である僕も一緒に声をあげた(笑)。本当に面白いし、何よりも「休み時間」というものに着目した著者の目はさすがとしか言いようがない。学校の規則と規律と生徒たちが育む同調圧力とそれらすべてからの解放の狭間、学校の中で唯一何もなく何処でもなく同時にすべてがある時間、それが休み時間だ。友達の少ない我が子は「休み時間がいちばん気まずい、なくて良い」と言い、僕も中学時代は女性器のマークを描き殴られた机に突っ伏してひたすらに時間が過ぎるのを待っていた。そうかと思えば高校時代は総合格闘技ごっこに興じて毎日どこかに傷を作っていた。本年度のベスト映画『我々は宇宙人』にも通じる大推薦本。しかも團さんは名古屋のイケてる自転車屋で人生のケイデンスを上げまくっているコウセイくんの大学時代の恩師なんですよ。ロマンしかない!
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