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水の定規 / 夕暮宇宙船短編集
¥990($6.31)
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言葉が悪いかもしれないけれど、読者の記憶を刺激して「わかるわかる、僕たち私たちにも似たような経験がある」と思わせる作品って雨後の筍のように量産されているじゃないですか?けど僕はあんなの詐術だと思っていて、本当に記憶中枢に刺さる物語というのはまったく経験した覚えのない場面であるにも関わらず「自分がそこにいる」と確信させるような(錯覚ではない)作品だ。僕は確かにマーフィーの腰掛けた揺籠椅子に腰掛けたし、モロイと一緒にゆきずりの女の家で犬を埋めた。菅野満子からの手紙の筆跡を見たし、口から血を流すアフリカの女たちを見た。城の中をいつまでも彷徨ったし、村医者の看護を受けた。藤野ちゃんの漫画が載った学級新聞を前の席の奴から受け取った。そう確信させるのが文学の力だ。この漫画作品には確実にそれがある。
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