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谷川 嘉浩 / 増補 ネガティヴ・ケイパビリティで生きる ――答えを急がず立ち止まる力
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『闇の自己啓発』『欲望会議』に並ぶ目から鱗がボロボロ落ちる三つ巴の対談集。まずタイトルにある「ネガティヴ・ケイパビリティ」とは何か?詩人のキーツによると「事実や理由に決して短気に手を伸ばさず、不確実さ、謎、疑いの中にいることができるときに見出せる能力」とある。芸人の粗品のようにズバッと言い切る人物が人気を集める昨今だけれど、実はブラマヨ吉田のように「いや、でもな…」と言い淀むことが大切なのではないか?という話だ。そういう意味では『吉田と粗品と』という番組は見事だ。吉田が言い切らないことに引っ張られて粗品も断言を避けている(ように見える)。だから依頼者からの悩み相談は常に宙ぶらりん状態なんだけれど、それがとても誠実で良い。ただ一度吉田が「イジメ問題」に関する解答で「イジメをするようなクソみたいな奴は強烈な電気ショックを与えた方がいい」と言い切ったときには粗品が「それはあかんでしょう」と言い淀んだ回は神回だった。話が逸れたが本書は本当に面白い。それこそ鶴見俊輔の「エピソードのない友情は寂しい」という言葉から議論を発展させて、昨今のイベント重視エピソード希薄社会を憂う第8章は神回である。胸に手を当てて思い返してみましょう。イベントありきの生活、営業、政治、付き合いをしちゃっていませんか?
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