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トーマス・ベルンハルト / 破滅者

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20年くらい前に『ふちなし帽』(絶版)に衝撃を受けて以来ずっと大好きなベルンハルト。基本的にどの作品もほぼ無改行のリフレインと間接話法の過剰投入なので本書のような実在の人物の回想録であろうが自伝であろうが一貫して呪詛、呪詛、呪詛なのでどれから読んでも良い。デザイナーの呉松慶吾くんが「昨年読んで一番衝撃を受けたのがベルンハルト」と言うていた(彼女からはようそんなん読むわと言われたらしい)のが最高やった。ベルンハルトやベケットの話をすると自然と笑みがこぼれる。この壮大な恨み節の行き着く先に、果たして幸福なんてあるのやろうか。因みに生涯通して祖国オーストリアをクソ味噌に貶し続けた結果、自国では「ネスト・シュムッツァー(巣を汚すもの)」と嫌悪されている。この人の書く血も涙もない(笑いはある!)罵詈雑言に比べたら、Xやスレッズに蔓延る悪口なんてガキの喧嘩みたいなもんよ。ベルンハルトは友人知人らから名誉毀損で訴えられてもペンを止めようとはしなかった。それは遺作となった大長編『消去』(これまた絶版!)に至るまで微塵も揺るがない。読んでいる最中はめちゃくちゃ不快な気持ちになりながら何故か爆笑できるという貴重な体験ができる。ほんま好っきゃわ!

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