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スズキナオ / 捨てた紙、捨てられない紙(初回ポストカード付)

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僕がスズキナオさんや植本一子さんの作品を、才能を、素晴らしいものであることを知りつつも積極的に店で扱わないのは、もはや彼らは自分が紹介するまでもなく周知されているからだ。誇張抜きでどこの書店に行っても彼らの書籍を見かけない日はない。だったら自分はまだ充分に評価されていない、読まれているという実感のない作品を一冊でも仕入れて、新しい読者へと繋げていきたいと思ってしまう。そんな僕のフィルターを掻い潜って仕入れ欲を刺激してくる作品が稀にある。それが本書であり、植本さんの現在地シリーズだ。和久田書房からというのもデカい。見てください、ナオさん史上、和久田書房史上もっともきっちりと作り込まれた上製本じゃあないか。zineのときはあんなに軽い紙やったのに!このあたりが編集者和久田さんのシニカルとも言える手腕。僕はそんなおふたりに敬意を込めて「月刊タラウマラvol.1」では特集を組んだ(現在、100部完売!)。本書の副読本として読んだあとは捨てるも良し、捨てないも良し。因みに僕個人の「捨てられない紙」No. 1は交通事故で死にかけて入院していたときに同級生から頂いた原稿用紙、冒頭の「土井がひかれた」はパンチラインすぎる。いつか自分もこんな書き出しの小説を書いてみたい笑。そんなわけで装丁から内容までこれまでのナオさんとはひと味違う作品の誕生が生まれたことを祝しましょう。そもそも未だに僕たちは戸籍という紙を捨てることができない。本書の「家族」編でそんなことを思うに至った。あと世の中の出版社、編集者の皆様へ。いつまでも同じような作者、同じような内容、同じようなタイトル、同じような装丁の本を量産して読者を欺くのはやめてくれ!

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