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ブリッタ・テッケントラップ 作 梨木 香歩 訳 / ブランコ

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子どもたちがいまよりももっと小さかった頃、彼らはいつもブランコに乗っていた。遊びに出かけて帰りが遅いので探しに行くと大体は片山公園のブランコに乗って遊んでいた。親子でブランコに乗って色んな話をした。たのしい話題がほとんどだけれど、ときには悲しい話や辛い話も。それこそ僕が子どもの頃にも何かあれば、いや何もなくても片山公園や泉公園のブランコに揺られながら友人たちと語り合った。いまも同じ場所に腰掛ければ、そのときの情景が鮮明に甦ってくる。消えたスニーカー、欠けた前歯、ひび割れた肋骨、別れた彼女、遠くに行った友だち、思いつきの言葉、それらのすべてをブランコがきちんと覚えている。だから身体と一緒に時間も揺らぐ。場所こそがいきものたちの記憶をとどめていることを知っている人だからこそ、こんなにも感動的な絵本が作れるんだろう。僕はあるページで涙が滲んだ。きっと必ずどこかのページがあなたの心を掴んで離さないと思う。

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