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荻世いをら / 彼女のカロート
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「一見凄く凄く感じのいいお兄さんが対応してくれて気持ちよく帰れるのですがきっと罠もあってタイヤ交換チューブ交換したらすぐ潰れた。やられたなと思いました。きっと古いチューブとタイヤを修復して使ってる。最悪」これは旧タラウマラのGoogleレビューの最後に書き込まれた言葉である。ここには罠がある。修理で中古品を代用する際は必ずお客様に確認をする(予算的に中古を求める方も一定数おられるので)。それに新品のタイヤチューブでも、交換後にガラス片や釘を踏めば当然パンクする。ならばその時点で客人は店に一報を下されば店として何らかの返答、対応はできる。しかしこの方はそうはせずにレビューを書き込んだ。もちろん僕はそこに「もう一度確認させてください」というニュアンスの返答を書き込んだが、現在に至るまで客人からの連絡はない。それともう一点、タイヤチューブを指して「壊れた」という表現はどこか奇妙である。空気が抜けた、破裂した、裂けた、バーストした、ならわかる。がしかし、壊れた…とは。これは何の話をしているのかと言えばもちろん『彼女のカロート』の純粋なレビューである。本書はまさに「墓穴を掘る」ことを最大公約数的に小説へと転化させた恐ろしい作品で、昨今の流行であるエッセイのような無色透明な装丁はある種の罠で、それを手にした瞬間からカロートへの道筋は拓かれる。それはまさにイバラの、いや、いをらの道なのだ。新刊で入荷。
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レビュー
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