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フランツ・カフカ / カフカの日記 新版1910-1923

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保坂和志が何かの作品の中でだったか、誰かの作品を評して言った言葉だったか、それとも帯文だったか、はたまた保坂和志以外の誰かが言った言葉だったか明確には覚えていないのだけれど、恐らく保坂和志はこんなことを言っていた。「私は小説は作品ではなくとにかく日々だ」。こんな奇妙な言い回しは保坂以外にしないと思うのでやはり件の言葉は保坂和志が言ったのだ、と思う。いずれにしても僕が好きな小説は確かに起承転結や筋書きやト書きから完全に解き放たれている。言うなればそれはやはり日々だ。そういうものしか楽しめなくなってしまった。そして世間は日記ブームと形容されることもあるくらいに多くの人が日記を書き、公開し、出版している。それらの日記を読むと、あゝ日記やなぁ、と思う。日記を書いて出版しようと思っている人はカフカやレリスのそれを読んだ方が良い。彼らの日記には「すべて」がある。それは紛れもなく日々だ。「彼とは違うわれわれ、つまりぼくたちを支えているのは、いうまでもなく自分の過去と未来だ。ぼくたちは無為の時間のほとんどを、また仕事をしているときでも非常に多くの時間を、過去と未来の均衡を計ることで過ごしている」。こんな強烈な言葉が随所に散見されるカフカの日記はやがて彼の創作をも飲み込んでいく…が、それはあくまでも日々だ。僕が重要だと思っている海外文学の多くが絶版という憂き目にみまわれている現状を突きつけられているいま、本書が長い年月を経て復刊したことを心から喜びたい。あなたの生涯の友になってくれることを約束する。新刊で入荷!

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